ロシアから凄い発酵乳がやってきた!「ケフィア」と普通のヨーグルトを比較してみた

微生物や酵素の働きで保存性を高めた発酵食品。

しかも、風味やうまみを引き出し、健康にも良いということで注目を集めています。

日本人が昔から食べている、梅干、納豆、かつおぶし、味噌、醤油、すべて発酵食品です。

その他にも、キムチ、チーズ、ヨーグルトなど、たくさんの発酵食品があります。

ヨーグルトに使われている菌はさまざまで、日本で売られているヨーグルトは7500種類以上あるそうです。

そのような発酵した乳製品のひとつに、ロシア発祥の「ケフィア」があります。

他の発酵乳製品とどこが違うのでしょうか。

ケフィアヨーグルトはどこで生まれた?

122-1_R

ヨーグルトは、健康のために簡単に毎日取り入れることができる食品です。

便秘解消のために毎日食べているという人も多いのではないでしょうか。

中でも「ケフィアヨーグルト」は、健康志向の強い人、そしておいしさに対して妥協をしない人から支持されています。

ケフィアヨーグルトのケフィアとは、コーサカス地方で2000年以上も前から飲まれ続けてきた発酵乳です。

コーサカス地方は世界有数の長寿地域で有名なのですが、その人々の健康に大きく関わっているのがケフィアと考えられているのです。

太古の昔から、山岳民族が牛や山羊の乳を山羊の皮袋に入れて自然発酵させ、取り出した分だけ乳を足して連続発酵させたものがケフィアヨーグルトになります。

このケフィアヨーグルトは長年にわたって人々の健康を支えてきました。

ケフィアの健康効果、そしてすばらしいおいしさに注目が集まって日本でも紹介され、人気を高めるようになったのです。

普通のヨーグルトとなにが違う?ケフィアの特徴

122-2_R

私たちがよく食べるヨーグルトとケフィアは一体何が違うのでしょうか。

ヨーグルトもケフィアも、発酵により作られる食品です。

ですが、最も大きな違いは発酵に関わる微生物にあります。

ヨーグルト乳酸菌だけよって発酵しますが、ケフィア複数の乳酸菌に加えて酵母による発酵も伴う、という違いがあります。

ヨーグルトの発酵「単独発酵」ケフィアの発酵「共生発酵」と呼んでいます。

ですから、ケフィアは「乳酸発酵」と酵母による「アルコール発酵」という2つの作用によって作られる発酵乳になるのです。

ケフィアとヨーグルトの発酵を担う微生物は、種類も数そのものも違います。

伝統的なケフィアの中には乳酸菌がおよそ30種類、酵母でおよそ25種類もの菌主が含まれています。

これだけの数の微生物が複合的に発酵のために働くのです。

発酵のメカニズムが完全に究明されたわけではありませんが、絶妙なバランスを保ちながら発酵に関わって、「ケフィア」という繊細な味を作り出していることは、はっきりしています。

ここで、ケフィアとヨーグルトに含まれる微生物の一部をご紹介しましょう。

ヨーグルト
乳酸菌→「ブルガリア菌」「サーモフィルス菌」「アシドフィルス菌」「ビフィズス菌
酵母→N/A(Not Applicable)

ケフィア
乳酸菌→「ラクトコッカス・ラクチス」「ロイコノストック・メセンテロイデス」「ラクノバチルス・ケフィラノファイエンス」「ラクノバチスルス・ケフィリ」
酵母→「サッカロマイセス・ユニスボラス」「サッカロマイセス・トゥリセンシス」「クルイベロマイセス・マルキシアヌス」

ケフィアの発酵に関わっている菌の種類は使用する菌が工業的に合成されたものなのか、もしくは正統な「ケフィアグレイン」より発酵させたケフィアから得られたものかにより、大きく違います。

「工業的に合成されたもの」は、有効な菌だけを工場で純粋培養したものです。

「ケフィアグレイン」とは、ケフィアの種菌のことです。

工業的に合成されたものは本来、ケフィアに含まれている少数菌が省かれてしまい、菌の種類は少なくなるので、「ケフィアグレイン」のほうが含まれる菌の種類は豊富です。

ただ、値段のことを考えると、安く入手できるのは工業的に合成されたものになります。

もうひとつ、ケフィアとヨーグルトの違いには「発酵のメカニズム」があります。

ヨーグルトの発酵は、先ほどもご紹介したように、数種類の乳酸菌だけによる「単独発酵」です。

発酵の過程において、乳酸菌は主として生乳に含まれている乳糖を分解して増殖しながら代謝物として乳酸を作り出します。

乳酸の生成とともにPH(ペーパー)が下がります。つまり、「酸性」になるということです。

すると次第に発酵が緩やかになり、最終的にヨーグルトになるのです。

一方、ケフィアの発酵は、主として「乳酸菌」「酵母」による発酵が注目されていますが、実はそれ以外にも「酢酸菌」という菌が発酵の役割を担っています。

乳酸菌、酵母、そして酢酸菌といった細菌が複合的に発酵するというところに特徴があります。

乳酸菌や酵母、酢酸菌などの細菌は合わせて数十種類とされ、乳酸菌が生乳を分解することにより生み出された乳酸は、酵母や酢酸菌の餌になります。

そして、酵母は発酵の過程でアルコールと有機酸類に、酢酸菌はアルコールを酢酸に変える働きをするのです。

こうして得ることができた代謝物のうち、有機酸類は乳酸菌の餌になり、酢酸菌によって変えられた酢酸は酵母の餌となって、効率的に発酵が進んでいきます。

かなり複雑なメカニズムですが、このメカニズムにより、菌類が増殖して原料になる生乳の栄養成分がさらに一層分解されます。

結果、ケフィアは単独発酵のヨーグルトと比べて、消化吸収が優れているという特徴を持っているのです。

なぜ日本では売られていない?ケフィアヨーグルトが手作りな理由

122-3_R

日本では、店で購入できる発酵乳は全てヨーグルトで、発酵させて売っているケフィアはほとんど店で見かけません。

ところが、ヨーロッパやアメリカではお店でケフィアを購入することができます。

なぜ日本では購入することができないのでしょうか。

それは、ヨーロッパと日本では発酵乳に関する法律に違いがあるからです。

日本では、ケフィアやヨーグルトなどの発酵乳は、食品衛生法により以下のように定義されています。

発酵乳とは、乳またはこれと同等以上の無視乳固形分を含む乳等を乳酸菌、または酵母で発酵させて糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したものをいう

牛乳を乳酸菌で発酵させても、そして酵母で発酵させても「発酵乳」であるとしています。

にもかかわらず、日本ではこれまで酵母で発酵させた発酵乳を見ることがなかったのはなぜでしょう。

それは食品衛生法の規定にあります。

「乳および乳製品の成分規格等に関する省令」に、以下のように定められています。

・無脂乳乳酸菌固形分→8.0パーセント以上
・乳酸菌数または酵母数(1mlあたり)→10,000,000以上
・大腸菌→陰性

食品衛生法によると、発酵乳には1mlあたり1千万以上の乳酸菌や酵母が生きていなければならないということになるのです。

さらに乳糖の器具または容器包装、もしくはこれらの原材料の規格や製造方法の基準が定められていて、販売に提供する発酵乳に使用する容器は密封できるものでなければならないとされています。

つまり、牛乳と酵母、そして乳酸菌で発酵した発酵乳のケフィアは、1mlあたり1千万以上の生きた酵母と乳酸菌が含まれていなければなりません。

しかも、販売するためには密封した容器に詰めてふさがなければならないということになっているのです。

ところが乳酸菌はまだしも、酵母が生きていると包装容器の中で炭酸ガスが発生して容器が膨れてしまい、店頭で破裂する可能性があります。

食品衛生法でケフィアの定義がなされているのですが、実際にケフィアが製品としてお店に並んでいないのは、これらの理由なのです。

ちなみにヨーロッパでケフィアが店頭に並んでいるのは、日本と違い、容器にピンホールを開けることが許されているからです。

ピンホールを開けておくことにより、酵母の発酵で発生する炭酸ガスを逃がすことができるのです。

容器にピンホールを開けることを法律により規制されている日本では、残念ながらケフィアを店頭に並べることはできないのです。

しかし、家庭で作るケフィアは販売するものではないので、法律の規制を受けることはありません。

ですから、本場のコーカサスと同じように酵母が生きている本物のケフィアは家庭で作るしか方法がないのです。

家庭でケフィアヨーグルトを作るためには「タネ菌」を購入しなければなりませんが、スーパーなどでは販売されていないので、オンラインショップを利用しましょう。

多くのショップがタネ菌を取り扱っているだけではなく、手作りキットも販売されています。

価格はショップによって異なりますが、高価なものではありません。

使いきりのものであれば数百円で購入することができます。

タネ菌だけを購入して作る方法についてご紹介しましょう。

ケフィアの作り方
①1リットルの牛乳を用意し、牛乳が入ったままの状態で牛乳パックの口を開ける。
②①の中にタネ菌を入れて、牛乳パックの口を押さえながら上下に振る。
(上下に振ることによって牛乳とタネ菌を混ぜることになる)
③十分に混ぜることができれば牛乳パックの口をクリップなどで挟み、しっかりと閉じる。
④そのままの状態で常温にて1日保管。

保管をする部屋の温度は20度以上あれば大丈夫です。

温度が低いとタネ菌が活動しなくなりますので、ケフィアヨーグルトが完成しません。

1日経過すると出来上がりますが、出来上がったものは冷蔵庫で保管すると1週間から2週間はもちます。

まとめ~ヨーグルトよりも整腸作用の効果が期待できるケフィアヨーグルト~

122-4_R

「ケフィア」は乳酸菌だけでなく、酵母と酢酸菌といった数多くの菌が含まれており、これらが共存発酵して栄養分がさらに分解されるので、消化吸収に優れているんですね。

そして、この発酵の特徴が、「ケフィア」のまろやかな味わいを生んでいるものと思われます。

日本では残念ながら、食品衛生法の壁にはばまれて、出来上がった「ケフィア」は市販されていませんが、家庭で作ることは比較的簡単ですので、自分好みの「ケフィア」を作ってみてはいかがでしょう。

脂肪分の低いものならさっぱりとした味わいに、逆に脂肪分の高いものでは濃厚な味わいになります。原料となる牛乳の種類によって風味も変わりますので、いろいろと試してみるのもいいですね。

ケフィアが入った乳酸菌サプリメントはこちら>>


関連記事

おすすめ記事ピックアップ!

  1. 女性だけではなく、最近は男性も冷え性に悩んでいるそうです。冷え性は人によって症状が違い、冬場に特に辛…
  2. 健康診断の季節になると気になるのがメタボリックシンドローム。 若いときは軽い運動だけで、簡単に…
  3. 最近スーパーアミノ酸として取り上げられることも多くなってきたアルギニン。 成長ホルモンの分泌を促進す…
  4. ん?アスタキサンチン?何それおいしいの?という人も多いかもしれません。 でもこの聞きなれない成分が…
  5. 「青汁」と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべますか? 野菜不足解消、栄養タップリ、健康飲料、でも…
ページ上部へ戻る